荒木簡易郵便局、2年ぶり再開 喜界町
2020年04月15日
地域
2年前から一時閉鎖していた喜界町の荒木簡易郵便局が13日、窓口業務を再開した。日本郵便を定年退職し昨年、荒木集落に帰郷した村田忠敏さん(61)が事業を受託し、自宅敷地内に局舎を新装した。同集落には高齢者が多く、住民たちは身近で便利な郵便局の再開を喜んでいる。
荒木簡易郵便局は、前任者が体調を崩し2018年1月から閉鎖していた。再開まで最寄りは、車で10分ほどかかる湾地区の喜界郵便局だった。荒木集落の益田清区長(64)によると、集落の人口は約430人で70歳以上の高齢者が3割以上を占め、高齢者らが歩いて用事が済ませることができる簡易郵便局の再開を望む声が上がっていた。
これらの声を受け、村田さんが事業受託を決意した。村田さんは日本郵便職員として大阪や奄美大島などで42年間勤務。定年退職後も喜界郵便局で1年間、再雇用職員として勤務した。
新装された簡易郵便局には、集落内外から贈られた多くの花が飾られ、地域住民らが再開を喜んだ。初日に利用していた作井武俊さん(74)は「暗いニュースが多い中、うれしい話題。自宅から歩いてこれる距離で手続きできるので、とても助かる」と笑顔を見せていた。
真由美夫人と共に夫婦で郵便や貯金、為替、振替、生命保険の業務を扱う村田さんは「少しでもシマのためになればうれしい」と語っていた。