西郷ルーツの地で学ぶ会 熊本県菊池市
2018年10月17日
地域
西郷隆盛の祖先発祥の地とされる熊本県菊池市で、「菊池源吾(西郷隆盛)に学ぶ会」(園木洋二会長)が息の長い活動を続けている。今年で発足12年目。勉強会を開いて西郷の人物像を語り合い、自己研さんを積んできた。西郷が約3年間を過ごした龍郷町との交流にも熱心に取り組んでいる。
西郷は平安時代から肥後地方で活躍した豪族菊池家の32代目に当たるといわれている。西郷は龍郷で「菊池源吾」と名乗り、愛加那との間にもうけた2人の子どもにも「菊」の字を付けた。
学ぶ会は60代~70代を中心に24人が参加している。年に5回の勉強会はフリーライターで副会長の津留今朝寿さん(74)が西郷が果たした歴史的な役割や人間性を解説。堅苦しさはなく、笑いの絶えない和やかな雰囲気だ。
菊池市は龍郷町と2012年、友好都市になった。互いに訪問し合ったり、物産展を開いたりして交流を深めてきた。津留さんは奄美へ足を運び、友好都市の締結に奔走。「私利私欲を捨て、新しい国づくりを目指した西郷(せご)どんの志を多くの人と共有したい」と話す。
大河ドラマの放送で今年は西郷や明治維新への関心が高まったが、「一過性のブームに終わらせまい」(津留さん)という関係者の思いは強い。
今年3月まで菊池市役所に勤め、勉強会にも参加していた前田浩規さん(61)=天城町松原=は「西郷と奄美との関わりを知らない人はまだまだ多い。西郷の生き方を学ぶ活動がゆかりの地に根付いてほしい」と期待した。