迫力満点、虎の剥製 ユリムンの不思議目を引く 「海の一升展」奄美各地で 瀬戸内町立図書館・郷土館
2022年08月11日
地域
海岸の漂着物を集めた「奄美群島 一升(★ひとます)展」が8日までに奄美各島で始まった。瀬戸内町立図書館・郷土館は奄美市住用町の海岸に漂着した虎(★とら)の剥製、「謎の木彫り人形」などを展示。「ユリムン(寄りもの)の不思議」が目を引いている。
瀬戸内町の展示は十点余り。虎の剥製は2018年3月、奄美市住用町市集落の海岸で見つかった。体長(頭胴長)約1・5メートル。足の骨や胴体の一部が露出した状態。同市住用総合支所が保管していた。
虎と合わせて「ワニ」の剥製も展示した。1974年10月、瀬戸内町の皆津崎付近で高校生4人が生け捕りにした。体長85センチ、体重1・5キロ。種類は不明。ワニは当時、清水地区にあった海中センター奄美で飼育されていたが、80年12月、水温調節用のヒーターにかみついて感電死。その後、住用中学校の教諭が自費で剥製にした。
「謎の木彫り人形」は73年11月、瀬戸内町加計呂麻島の秋徳集落に漂着した。「あまり見ない道具を手にし、髪型も日本っぽくないし…。もしかして遠い南太平洋から流されてきた?」(説明文)。80年に寄贈された「謎の舟」はカヌーの一種とみられる。浮き球やつぼ類、ヤシの実、漂着物に関する南海日日新聞記事も展示中。
剥製の虎は図書館・郷土館職員も驚くほどの迫力。町健次郎学芸員は「郷土館で保管し、今まで一度も表に出したことがない珍しい漂着物も展示した。島民が目にするいい機会になると思う」と話した。11月末まで展示予定。
海の一升展は伊仙町を拠点に活動する歩健学研究室の西村千尋代表の呼び掛けで始まった。徳之島では11月19日、第21回漂着物学会「徳之島にどんぶらこ」を開催予定。西村代表は「一升展をきっかけに、群島全域で学会に向けての機運を盛り上げていきたい」と話している。徳之島会場(伊仙町あごん浜自然館)ではウミガメの骨や円柱形の浮き球などを展示している。
瀬戸内町、伊仙町以外の展示会場は次の通り。
▽喜界島 喜界町役場▽沖永良部島 和泊町役場▽与論島 シマノマ