2年越しに完成祝う 朝潮太郎記念館で落成式 徳之島町井之川

2023年11月05日

地域

朝潮太郎記念館(後方)の落成を祝いテープカットを行う米川啓子さん(左から3人目)ら参加者=4日、徳之島町井之川

徳之島町出身の横綱「朝潮太郎」の遺品や資料を展示している「第46代横綱朝潮太郎記念館」の落成式が4日、出身地の同町井之川で開催された。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、運用開始から2年越しとなった落成式には親族や地域住民など約80人が参加。日本復帰前後の奄美群島民を勇気づけた功績や愛された人柄をしのびながら、今後の観光拠点としての活用に期待した。

 

朝潮(本名・米川文敏)は1929年、同町井之川出身。奄美群島が米軍政下に置かれていた48年に密航で本土に渡って角界入りし、59年に横綱に昇進した。優勝5回。復帰前の奄美大島、徳之島で巡業を行うなど、苦難の時代に群島民に希望を与えた。88年に死去したが、没後30年以上たった現在も人気は根強い。

 

落成式のために妻の啓子さん(78)や、実弟の米川忠夫さん(87)ら親族4人も来島。式典のあいさつで高岡秀規町長は「密航で島を出て身一つで成し遂げた偉業を、しっかりと次世代に伝えていきたい」と横綱へ敬意を込め、「コロナ禍で延期された落成式が奄美群島日本復帰70周年の節目で迎えられたことはむしろ喜ばしい」と語った。

 

式典ではテープカットや地域住民による伝統芸能の夏目踊りで落成を祝ったほか、啓子さんからは横綱の髷(まげ)や着物、足袋などの遺品が寄贈された。来島は十数年ぶりという啓子さんは「今でも横綱の活躍を忘れず、誇りに思ってくれている島の人たちに感謝したい。遺品は地域のために役立ててほしい」と思いを語った。

 

同館は井之川公民館と同敷地にあり、鉄筋コンクリート造り1階建て。面積82平方メートル。県と町が協力し、2020年度事業で約4800万円をかけて完成し、21年度に開館した。