4年ぶりに伝統の綱かき 50人が協力し大綱完成 伊仙町
2023年09月24日
地域

力を合わせて綱を結い上げる東伊仙東集落の青年団員ら=22日、伊仙町伊仙
伊仙町の東伊仙東集落(竹園温師区長)に伝わる「綱かき」(同集落青年団主催)が22日夜、集落公民館であった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いていたため4年ぶり。子どもからお年寄りまで約50人で協力し、約20メートルの大綱を完成させた。出来上がった大綱は29日の十五夜祭りで綱引きや相撲大会の土俵に使われる。
徳之島ではかつて稲作が盛んだった頃に、各地の集落で十五夜前に綱を作り、綱引きや相撲が行われていた。東伊仙東では稲作の衰退とともに「綱かき」は一時途絶えていたが、伝統継承と集落活性化のために青年団の呼び掛けで2003年に復活した。材料の稲わらは天城町の生産者から入手した。
団員らは年配者の指導の下、綱先を広場に組んだ祭りのやぐらに引き上げつつ、「せーの」の掛け声で力いっぱい締め上げた。子どもたちは稲わらをまとめたり運んだりする作業を手伝った。
久保こころさん(伊仙小5年)は「綱をつくる作業は力が要るので大変。屋台のお餅がおいしいので十五夜祭りが楽しみ」と笑顔。青年団の明石一輝団長(38)は「集落も元のにぎわいが戻ってきた。今後も青年団が中心になって地域を元気づけていきたい」と語った。