一部青果物の卸値高騰 西日本豪雨の影響で

2018年07月17日

地域

西日本豪雨災害で一部青果物が高騰。小売店もバラ売りにするなど工夫に努めている=16日、奄美市名瀬

西日本豪雨災害で一部青果物が高騰。小売店もバラ売りにするなど工夫に努めている=16日、奄美市名瀬

 7月上旬に西日本各地を襲った豪雨災害の影響で、一部の移入青果物が高騰している。奄美市の名瀬中央青果㈱では旬を迎えたキュウリの卸値が、前年同月平均の4倍に急騰している。ニンジンやナス、葉物野菜も価格が上がっている。移入物の高騰に伴って地場産品の値上がりも想定される。小売店など関係者は影響の長期化を懸念している。

 

 名瀬中央青果によると、13日現在の卸値(キロ単価)は▽キュウリ=主に宮崎産=1300円(前年7月平均299円)▽ニンジン=熊本、長崎産=380円(同101円)▽ナス=熊本、宮崎産=700円(同219円)など。コマツナ950円(同445円)、ネギ1050円(同930円)など葉物も高値傾向となっている。

 

 これらの大部分は、産地の大雨被害による出荷量減に加え、道路や鉄道など輸送網の寸断の影響を受けている。被災地以外で生産される青果物も、大都市圏への出荷が優先される傾向があり、地方では品薄感が強まっているという。

 

 中央青果の担当者は「移入物は今後、県内の在庫減少に伴ってさらに高騰する可能性が高い」と見通す。移入物の不足をカバーする地場産品についても「移入物の高値に引っ張られる可能性がある」とみている。

 

 奄美市内にある小売店の青果物担当者は「キュウリは夏場が一番の需要期で、ニンジンはカレーからみそ汁までいろんな料理の具材になる。いつもは3、4本をまとめて販売するが、それだと消費者も手を出しにくい」と話し、バラ売りにしたり、規格外品も混ぜるなどして買い物客の負担が軽くなるように努めていくという。

 

 小売店を訪れていた奄美市名瀬の女性(67)は「いろんなお店を回って少しでも安い商品を探すようにしたい。地場産でしのげるうちはいいが、品薄が続けば地場産も高くなるかもね」と不安視。「地場産の野菜もたくさん料理に取り入れ、工夫したい」と話した。