奄美陸自関連に40億円 防衛省22年度予算案

2021年12月30日

地域

防衛省は24日に閣議決定した2022年度予算案に、19年新設された陸上自衛隊瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)の火薬庫整備など奄美陸自関連で約40億円を計上した。陸上自衛隊奄美駐屯地(奄美市名瀬大熊)では22年度末、補給、厚生などの管理機能を担う業務隊(仮称)を配備するほか、部隊改編に伴い高射部隊の定員を10人増員する。

 

同省は18年度から、瀬戸内分屯地の弾薬などを保管する「火薬庫地区」の山に5本のトンネルを掘削し、内部に火薬庫を整備する計画を進めている。現在は1、2本目を整備中で、1本目は21年度、2本目は22年度に完成予定。今回は3本目のトンネルの掘削工事費として約24億円を計上した。

 

このほか瀬戸内分屯地関連では、火薬庫地区内の構内道路整備に約12億円、資材コンテナを保管するコンテナヤード整備費約1億円を盛り込んだ。

 

奄美駐屯地関連では、駐屯する奄美警備隊が担っていた補給、厚生などの管理機能を分離し、新たに業務隊(仮称)を配備する。また陸上自衛隊飯塚駐屯地(福岡県)所属の第2高射特科団と第3高射特科群の部隊を改編し、奄美駐屯地の第344高射中隊の定員を10人増員して高射部隊の機能強化を図る。これにより、奄美駐屯地の人員は10数人増となる見込み。施設整備として、約3億円でコンテナヤードを建設する。

 

また、南西諸島の輸送機能強化に向け、搭載能力約1700トンの中型船舶と同350トンの小型船舶の輸送艦艇各1隻を取得する経費約102億円を盛り込んだ。装備品や部隊の輸送体制を構築し、南西地域の防衛力強化のため、23年度までに、中型1隻、小型3隻の計4隻の導入を計画している。