機能性向上へ期待高める 食肉センター新築起工式 奄美市名瀬

2022年09月21日

地域

安全祈願の神事が執り行われた奄美大島食肉センター(仮称)の新築工事起工式=20日、奄美市名瀬朝戸

奄美市が整備を進めている「奄美大島食肉センター」(仮称)の新築工事起工式が20日、同市名瀬朝戸の建設予定地であった。安全祈願の神事があり、関係者約50人が出席。施設の新築による機能性の向上などに期待した。2023年6月完成、24年4月供用開始を目指している。

 

同センター整備は1972年に開設した既存の市食肉センター(同市名瀬有屋町)の老朽化に伴い、衛生管理強化や作業の効率化、環境影響の低減などを図るもの。総事業費は約10億8千万円で、21年度までに設計から敷地(約3310平方㍍)の造成工事までを終えた。

 

建設場所は古見方多目的グラウンド近くの県道外れに造成した市有地で、施設面積は鉄骨平屋建ての本館など約740平方㍍。主な設備は解体室や係留所、部分肉加工室、内臓処理室、包装梱包(こんぽう)室など。保管用の冷蔵庫を置き、廃水処理施設も敷地内に整備する。

 

市環境対策課施設管理係によると、既存施設の年間処理頭数は約1千頭(豚約800頭、ヤギ約200頭)。新施設の1日当たり処理能力は25頭で、34年度までに年間2千頭の処理を目指す。新施設の運営は既存施設と同じ奄美市名瀬食肉組合に委託する。

 

20日の起工式で出席者は、玉串をささげるなどして工事中の安全を祈願。あいさつで安田壮平市長は「主に取り扱う豚やヤギは島民の安定的な食材であり、観光客への『おもてなしの食材』でもある」と語り、適切な衛生管理や周辺環境への配慮など施設整備の基本理念を強調した。