移住体験ツアーを企画 住民ガイドの導入など提案 龍郷町、楽天と協働

2022年02月20日

地域

龍郷町と楽天社員協働で企画した移住体験ツアーの報告会=17日、龍郷町役場

龍郷町と楽天グループ(三木谷浩史代表取締役)社員が今年度、協働で取り組んだウィズコロナ時代に即した移住体験ツアー開発の報告会が17日夜、同町役場であった。オンラインで参加した楽天社員6人は、現地視察などを踏まえ考案した「荒場エリア」と「内場・ほーげエリア」の2ルートを紹介。現地生活への理解を深めるため、ガイドの導入や奄美の文化に触れる機会の創出などツアーの充実も提言した。

 

楽天は2018年から、社員が地方で活動する人たちと地域課題の解決を目指して協働する、社会問題解決のためのプログラム「Rakuten Social Accelerator(RSA)」を展開している。今年度、RSAに龍郷町が応募し、楽天社員18人との協働による企画が昨年6月から始まった。

 

移住定住の促進に重要な移住体験の機会がコロナ禍で減った背景から、移住検討者と移住候補先の双方が安心して実施できる「移住体験ツアー」を企画。町が所有するe-bⅰke(電動アシスト自転車)を活用して密を避け、自然環境にも配慮したツアーを考案した。

 

楽天社員は17日、同町の官民一体の政策立案機関「たつごうみらい会議」の委員へ企画内容を報告。荒波エリアでは奄美自然観察の森や地元の商店、空き家見学などを通じ、「現地理解を深め、移住への準備を進めてもらう」と説明。内場・ほーげエリアはスーパーや医療施設、町有施設など生活導線を巡り、「移住後の生活する姿をイメージさせる」と訴えた。

 

また、移住希望者に現地の生活の理解を深めるため、移住体験ツアーへ住民ガイドの導入や奄美の文化に触れる機会を設けるよう提案した。

 

委員からは「龍郷町の長所と短所を知り移住を体験できるのがポイント。現実的に移住を考えられるのがよかった」などの意見があった。

 

町企画観光課によると、今回の企画案を参考とした移住体験モニターツアーを、新年度にも実施する計画という。

電動アシスト自転車でモニターツアーを行った楽天社員ら=2021年11月21日、龍郷町