西郷の遺徳、後世へ 詩碑「獄中有感」除幕式 和泊町・西郷南洲記念館

2024年02月28日

地域

「獄中有感」の詩碑を除幕する関係者ら=26日、和泊町

和泊町の西郷南洲記念館に建立された詩碑「獄中有感」の除幕式が26日、執り行われた。和泊西郷南洲顕彰会会員、山形県の荘内南洲会会員ら約90人が出席。建立を祝い、西郷隆盛の遺徳を後世に語り継ぐ決意を新たにした。

 

「獄中有感」は西郷が文久2(1862)年、薩摩藩の実権を握っていた島津久光の怒りに触れ、沖永良部島で獄中生活をしていたときの思いを、七言律詩の形式で表したもの。顕彰会によると、詩碑建立は西郷の心を後世に引き継ごうと、会員からの寄付や町からの補助金の一部を積み立てるなどして準備を進めてきた。

 

この日の式では神事の後、各関係団体代表や西郷の子孫、町内各小学校の代表児童らで除幕。顕彰会会員で詩吟朗詠錦城会鹿児島県本部師範の西山和博さん(宮崎県)が「獄中有感」の吟詠を披露した。

 

顕彰会の伊地知実利会長はあいさつで「和泊の牢(ろう)生活の中での心の叫びが『獄中有感』の詩であり、どんなに苦しく、つらいときでも希望を失わず、困難に立ち向かう勇気を持つ事の大切さを私たちに教えてくれる。『獄中有感』『敬天愛人』に込められた西郷の精神が本町の最大町民運動の一つ、『人づくり』に大いに寄与される事を確信するとともに、町のますますの繁栄を祈念する」と述べた。

 

式後は町内のホテルで祝賀会があった。