2週連続の台風接近/漁者「死活問題」、観光業も悲鳴

2017年10月28日

地域

連続台風の影響で係留が続く漁船=27日、奄美市名瀬

連続台風の影響で係留が続く漁船=27日、奄美市名瀬

 

 今月下旬に入り、奄美群島に台風が2週連続で接近し、漁業者や観光関連業者は悲鳴を上げている。漁業関係者は「台風が連続して近づき、船が出せない」、貸し切りバス業者も「キャンセルが相次ぎ打撃大きい」と頭を抱えている。

 

◆出漁できず「死活問題」

 名瀬漁業協同組合(奄美市名瀬)の南信一郎組合長は「21号台風が近づいた先週末の21日から漁に出られない状況。台風が連続してくると長期間、船を出せないので死活問題だ。係留ロープを外したばかりなのに、またくくらないといけない」と頭を抱えた。

 ㈱しまバスの担当者は「(28日の)名瀬港へのにっぽん丸寄港や瀬戸内町の諸鈍シバヤなどが中止となり、各種貸し切りバスツアー関連で予約25台が全てキャンセルとなった。約120万円の損失」と22号台風の影響に触れ、「奄美まつりの八月踊り中止(8月)でも貸し切りバスのキャンセルが相次ぐなど、今年は台風に泣かされている」とため息をついた。

 観光施設への影響も深刻だ。マングローブパーク(奄美市住用町)はマングローブ林の散策を楽しみながら回遊するカヌーが人気だが、「先週末に多くのキャンセルが出たばかり。今週末も既にキャンセルが出ている。売店やレストランの売り上げにも響くので痛い」と、パークの寿浩義支配人。

 一方、2週連続の台風接近でキャンセルが相次いだと思われた市内ホテルの担当者は「確かに2週連続で週末に当たるため団体客のキャンセルはあったものの、台風被害を見込んだ工事関係者の予約が相次ぎ、キャンセルも弱含みで推移。大きな打撃とまではなっていない。気象データの正確さもあり、個人客は最近、直前まで見極めるケースが増えてきている」と話した。