「地域活性化につなげたい」イノシシ肉で商品開発、販売へ 加計呂麻島ジビエ研究会
2020年01月14日
社会・経済
瀬戸内町加計呂麻島の住民団体「加計呂麻島ジビエ研究会」は、同島に生息するリュウキュウイノシシの肉を活用した新商品を開発している。同島ではイノシシによる農作物被害が深刻化しており、佐藤幸雄代表(50)は「希少なリュウキュウイノシシの肉をおいしくいただき、猟師減少の歯止め、農作物被害の減少、地域活性化にもつなげたい」と話している。
同研究会は害獣イノシシの地域資源化を通じ、地域の産業振興、活性化などにつなげようと2017年に設立された。同島安脚場の使われていなかった牛舎の一部を自分たちで改修。19年9月に町内初の獣肉処理施設をオープンした。同施設ではイノシシの解体、精肉にするまでの作業を行い、加工は静岡県の専門施設に委託している。
研究会のメンバーはいずれも島内在住で兼業猟師の佐藤代表、数原正信さん(70)、山田和広さん(40)と、事務局を担当する水谷淳一さん(50)。19年度は町から総務省過疎地域自立活性化推進事業「希少種リュウキュウイノシシを活用した『加計呂麻島ジビエ』新商品開発及び販路開拓調査事業」の委託を受け、事業費約1千万円で新商品開発のための設備導入や本土での試食会開催、販路開拓に取り組んだ。
昨年11月30日に東京、12月9日に大阪で開催した試食会では▽ロースハム▽パストラミ▽塩麹(★こうじ)はちみつ薫製ベーコン▽スモーク・ソーセージ▽レバーパテ│など7品目の試作品を用意。東京会場では同町の酒店「瀬戸内酒販」の協力を得て、黒糖焼酎とのマリアージュ(食材と料理の相性)も試してもらった。
今後は試食会でのアンケートなどを基に売り出す商品を選定。価格を決め、今年2月から販売を始める予定。