「観光」柱に経済活性化 奄美市中小企業振興会議
2018年11月01日
社会・経済
奄美市中小企業振興会議(谷芳成会長、委員17人)の第3回会合が31日、市役所会議室であった。事務局側は中小企業振興策として観光を柱の一つに掲げ、観光客ニーズの情報共有やビジネス展開へつなげるための異業種交流会を提案。委員からも理解を示す声が上がった。
振興会議は昨年4月施行の市中小企業振興条例に基づき設置された。委員は建設、通信、観光、飲食、酒造、県などで組織する。会合は本年度第1回目。
市紬観光課が観光の現状を説明した。交流人口増に伴い、奄美市総生産額は2013年以降増加傾向にある。半面、地域経済の自立度を示す地域経済循環率は70・8%(那覇市110・3%)にとどまることから、「産業間の連携や取引を高めることで資金の域内循環を高め、域外流出をとどめる必要がある」とした。
これを受けて、市商水情報課が観光を軸とした中小企業振興の方向性を説明。▽異業種連携による新たなモノ、サービスの創出▽島外に依存しているモノやサービスを島内で供給できるよう、地域内で経済循環できる仕組みの構築―の2点を掲げた上で、異業種交流会の開催を提案した。
飲食業の委員は、本土の大手業者が参入している食品卸業の現状を引き合いに「大きな資本にはかなわない。異業種交流することで、いろいろなアイデアが出てくるのでは」と理解を示した。
観光関連の委員は「地元業者に商品発注するには単価が高い。経済を循環させるためにも発注、もしくは受注側に助成ができないか」と提案した。