まち歩き観光で連携=奄美・屋久島連絡協発足
2018年03月09日
社会・経済
自然が残る集落里地での人々の暮らしや文化、歴史を案内する「まち歩き」観光での連携を目的に、奄美大島と屋久島の行政や民間関係者らが8日、「奄美・屋久島まち歩き連絡協議会」を設立した。奄美市名瀬の奄美会館で同日、設立総会と連携協定書の調印式があった。今夏の奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録実現を視野に、1993年に登録を果たした屋久島との交流、連携を通じて両地域の活性化と環境文化の継承につなげる。
連絡協議会は、奄美大島の4団体2個人と、既にまち歩き観光を展開している屋久島里めぐり推進協議会(7団体加盟)で発足した。会長は同推進協の川﨑太一副会長、副会長は宇検村観光物産協会の伊村広文会長が務める。奄美の事務局はNPO法人TAMASU、屋久島の事務局は屋久島里めぐり推進協議会内に設ける。
具体的な活動内容や事業計画は、4~5月に奄美市で開く会合で話し合う。それまでに、奄美群島内の他の島の関係団体にも加入を呼び掛けていく。
協議会設立発起人で屋久島環境文化財団の北原和博事務局長は「屋久島に続く奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録の相乗効果も見据え、奄美と屋久島が活気づけば」と期待。川﨑会長は「先人が守ってきた自然を継承するという自然遺産の意義も踏まえ、まち歩きを通じてみんなで楽しく歩みを進めよう」と話した。奄美側から「屋久島との連携は大きなメリット。先進地の屋久島に学びながら取り組みを進めたい」などの意見があった。
今月5日に鹿児島―奄美―沖縄航路のフェリー波之上(マルエーフェリー)が屋久島に寄港しており、関係者はインフラ面も含めた連携促進に期待した。