キビ愛、栽培努力を熱弁 榮さん(奄美市)最優秀賞 若手が登壇、キビ1グランプリ 奄美市
2024年11月08日
社会・経済
サトウキビ栽培の取り組みを発表し合い、その魅力度を競うイベント「第2回キビ1グランプリ」(奄美群島糖業振興会主催)が7日、奄美市笠利町の農村環境改善センターであった。群島7市町の代表が、キビへの愛情や営農効率化への努力などを熱弁。家族で経営する農業生産法人の取り組みを紹介した榮力夫さん(奄美市笠利町)が最優秀賞に輝いた。
イベントは生産者の減少や高齢化が続くキビ生産の担い手育成、情報共有・発信などが目的。奄美市と喜界町、徳之島3町、知名町、与論町から若手農家代表が登壇した。
登壇者はキビ栽培の就農経緯や仕事としての魅力、経営の課題を克服した工夫、今後の目標など持論を展開。適期管理の徹底や機械化による省力化、植え付け面積の拡大による収入増などに関する発表が相次いだ。
最優秀賞に輝いた榮さんが家族で経営する農業生産法人「立神Works」は、23年度実績で収穫量2千トン超を実現。発表では▽効率化▽早期植え付け▽畑の確保│など実践する七つの取り組みを紹介し、「キビは買い取り価格が決まっているので、手をかけた分だけもうかる。計画的な植え付けや適期管理で家族との時間も取れる」と魅力を説明。今後の目標として「笠利町では高齢化で離農者が多くなり、キビ産業の危機が予想される。みんながもうかるキビ産業の存続に取り組みたい」と訴えた。
審査員4人の評価と観客188人による投票、栽培実績を総合して審査し、榮さんが最優秀賞、喜界町の伊地知清隆さんが優秀賞に輝いた。審査員からは「技術面も素晴らしく、発表内容が充実していた」「模範的生産者の経験、知恵を共有できた」などと登壇者をたたえた。
閉会後、榮さんは「18年間やってきたことが評価されてうれしい。これからも各島の生産者と情報共有して、キビ業界を盛り上げていきたい」と語った。県大島支庁農政普及課の中実課長は「今回の発表された取り組みが広がることで、単収向上や省力化につながれば」と期待を寄せた。