タンカン共販目標61トン 減糖、減酸傾向で出荷量低迷 奄美大島

2025年01月22日

社会・経済 

今月下旬から収穫期を迎えるタンカン=17日、奄美市名瀬

JAあまみ大島事業本部果樹専門部会(大海昌平部会長)は14~16日、奄美大島5市町村で2024年度産タンカン出荷販売対策会議を開いた。共販出荷計画量は23年度実績比18・4トン減の61・3トン、取り扱い金額は3440万4千円、キロ単価は564円に設定した。今期は表年のため生産量は前期を上回る予測だが、果実の品質低下による出荷規格の等級(秀・優・良)に該当しない規格外品に区分されることなどへの懸念から、共販出荷が低迷しているとみられ、JA側は出荷増を求めている。

 

大島事業本部などによると、今期の生育状況は昨夏の高温や昨年11月の大雨などで果実内に養分を蓄えることができず、一部では果皮障害も発生している。1月10日に県園芸振興協議会大島支部(事務局・県大島支庁農政普及課)が実施した果実品質調査では、糖度は平均9・9度で最高12・3度、最低7・3度。クエン酸は平均0・96%で最高1・91%、最低0・62%。前年同時期と比べ、糖度は平均で1・4度、クエン酸は0・25ポイントいずれも下回っており、減糖、減酸傾向にある。

 

24年度産の支所別出荷計画は▽名瀬18・6トン(前期実績28・06トン)▽笠利0・7トン(同1トン)▽住用11・1トン(同9・8トン)▽龍郷1・79トン(同2・56トン)▽大和12・5トン(同21・46トン)▽宇検9・2トン(同11・12トン)▽瀬戸内7・4トン(同5・67トン)。住用と瀬戸内を除く5支所で前期を下回る計画となった。

 

JA担当者は生産者に対し「収穫期までに樹上選別摘果を行い適期収穫をしてほしい。腐敗果・病害果の混入防止やへたの切り落としなど家庭選果を徹底し、収穫後に果皮を乾燥させて商品性を向上させる予措(よそ)期間(最低でも2~3日)の実施を」と呼び掛けた。

 

また表年にもかかわらず、共販取り扱い目標が前期実績を下回っていることから「販売先からはもっと数量を増やしてほしいという要望が届いている。製品にならない規格外品も全量買い取る業者もあるので、共販出荷の協力を」と要請している。

 

今期は24日ごろから平地(下場)の園地で収穫が始まる予定。はさみ入れ式は2月1日、瀬戸内町の池島果樹園で開催する。