一流シェフのディナー堪能 村産食材の魅力と可能性確認 大和村

2025年02月19日

社会・経済 

完成したイセエビのパスタを提供する菊池恒毅シェフ=17日、大和村のハナハナビーチリゾート

大和村産の食材を活用したイタリア料理を味わう食事会(同村主催)が17日、同村の温泉付き宿泊施設「ハナハナビーチリゾート」であった。村内の生産者や村議会議員ら計16人を招待。タンカンやスモモなど村の特産品を一流シェフが調理したディナーを堪能し、地元食材の魅力と新たな可能性を確かめた。

 

食事会は同村の特産食材を首都圏のホテルやレストランなどで活用し、知名度向上と消費拡大を目指す「DISCOVER AMAMIOSHIMA,YAMATOSON」の一環。同事業ではこれまでに首都圏や奄美大島のレストラン計7店舗で村産食材を使った新メニューを開発、提供してきた実績がある。

 

調理を担当したのはイタリア料理店「代官山ASOチェレステ日本橋店」=東京都中央区=で料理長を務める菊池恒毅シェフ(47)。菊池シェフは以前にも徳之島町と協力して徳之島産食材を用いた新メニューの開発を手掛けた経験がある。

 

食事会で使った食材はアカマツ、ソデイカ、イセエビ、クルマエビ、タンカン、スモモ、シイタケ、インゲン、島豚など奄美大島の山海の幸。菊池シェフは肉、魚料理のソースにタンカンやスモモを活用するなど、工夫を凝らした全4品のフルコースを提供した。

 

食事会で名店の味を楽しむ参加者=17日、大和村のハナハナビーチリゾート

参加者は身近な村産食材と一流の調理技術が織り成す美味に舌鼓。タンカン生産者でもある藏正村議会議長は「それぞれの素材の風味を生かしながらも、それらが調和してまるでオーケストラのハーモニーのよう」とたたえ、「自らがつくった食材が素晴らしく活用されることで、生産者も『より良いものをつくろう』という気概が生まれる」と笑顔を見せた。

 

菊池シェフは「元々の味が素晴らしいので、極力手を加えず、素材の良さを引き出すことを心掛けた」とメニューについて説明し、「初めて奄美のイセエビを使ったが身がしっかりしていて十分にメインに使える。今後もさまざまな奄美産の食材を活用した料理をつくって奄美の魅力を広めたい」と語った。