九州農政局優良事例に 沖永良部きのこ㈱「農山漁村の宝」に選定 キビ連携のキクラゲ生産評価 /和泊町
2019年01月24日
社会・経済
【沖永良部総局】無農薬の生キクラゲを生産、加工、販売する和泊町の沖永良部きのこ㈱(今井宏毅社長)が農林水産省九州農政局の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選定された。本年度、県内で選定されたのは同社と屋久島町の屋久島@深山園の2団体のみ。
農水省は農山漁村の持つ潜在的な能力を引き出し地域の活性化や所得向上に取り組む優良事例を、2014年度からディスカバー農山漁村の宝として選定。全国に発信することで他地域への波及を目指している。本年度は昨年10月に全国の32団体(うち九州は4団体)を選定した。
九州農政局は管内に多くの優良事例があることから、「九州農政局ディスカバー農山漁村の宝」として昨年11月、170件の応募の中から沖永良部きのこを含む17団体を選定した。
同社はサトウキビの搾りかす(バガス)を菌床としたキクラゲ生産の再建を図るため、08年に設立。大学と連携してミネラル成分や機能性の優位性を証明したり、島固有のキクラゲ自生菌を使ったりして商品の付加価値を高める取り組みを進めている、サトウキビ生産と連携した循環型生産の取り組みも進めている。
23日に九州農政局の松澤智亮農村計画課長らが同社を訪れ、今井社長に選定証を手渡した。松澤課長は「他の模範となる取り組み。引き続き沖永良部島全体を引っ張るつもりで取り組んでほしい」などと激励した。
今井社長は「サトウキビのバガスを菌床とした他にないキクラゲということでメディアにも取り上げられ、知名度も高まっている。これもキクラゲに対する地域の理解のおかげ。これを励みにまた頑張っていく」と話した。