入荷再開、品出し急ぐ 次の台風接近に警戒も 奄美市スーパー各店
2022年09月08日
社会・経済
台風11号の影響で欠航が続いていた海の便の再開に伴い、7日、奄美群島各地に食料品など生活物資が届き始めた。奄美市名瀬のスーパー各店では入荷した商品の品出しを急ぐ従業員と、買い求める来店客らが盛んに行き交った。関係者は久しぶりの食料品入荷に安堵(あんど)しつつ、次の台風接近へ警戒を続けている。
台風11号は8月28日に南鳥島近海で発生。南西諸島へ接近しながら徐々に南下した後、今月2日に沖縄県石垣島の南海上で北よりに進路を変え、5日にかけて東シナ海を北上した。奄美地方は風速15㍍以上の強風域に巻き込まれ、海上もしけが続いた。
これに伴い、奄美群島を経由して鹿児島と沖縄を結ぶ定期船鹿児島航路など、群島内への物資運搬を担う海の便で欠航が相次いだ。各地のスーパーでは生鮮食品をはじめ、保存しやすい冷凍、レトルトなど食品全般が欠品や品薄となり、住民生活に影響が出た。
7日、名瀬港には定期船鹿児島航路の鹿児島発下り便が8日ぶりに入港。一部小売店の商品などを運搬する鹿児島発の貨物船も5日ぶりに入港した。
タイヨー浦上店(同市名瀬)は定期船入港に伴い、8日ぶりの商品入荷。川口希店長代理は「台風接近で青果やパン、牛乳などは早々に売り切れ、冷凍食品も在庫がなくなった。ようやく入荷が再開したが、いつもの在庫状況に戻るまでは数日かかりそう」と語った。
同店で食料品をまとめ買いしたパート女性(36)=同市名瀬=は「やっとまともにご飯が作れる」と安堵。続けて「台風前に買っておいた分では足りず、台風接近中にも各店で食料品を探し回った。最悪の想定に基づいた備えが大切だと痛感した」と振り返った。
グリーンストア入舟店(同市名瀬)も貨物船入港に伴い、5日ぶりに商品が入荷。店内では生鮮食品などの品出しに追われ、従業員が慌ただしく作業していた。赤尾均店長は「まだまだ台風シーズン。次(の台風)に備えた仕入れも必要になるはず」と気を引き締めた。