初夏の味覚、奄美プラム出荷 大和村で出発式 共販目標16・5㌧

2022年06月04日

社会・経済 

奄美プラムの選果作業=3日、大和村のJAあまみ湯湾釜選果場

2022年産奄美プラム(スモモ)の出発式が3日、大和村のJAあまみ大和支所湯湾釜選果場であった。22年産の共販目標は前期実績比18・3㌧減の16・5㌧(大和村13・7㌧、奄美市名瀬2・2㌧、龍郷町0・6㌧)に設定。出席した生産者や行政、JAの担当者らは、テープカットで奄美の初夏の味覚を送り出した。

 

大和村は奄美プラムの主産地で、市場出荷分も含めた22年産の総生産量は約30㌧を見込む。村やJAによると、今期は順調な生育状況だったが、開花期の降雨の影響で歩留まりが悪い園地がみられ、前年より着色が早く、玉肥大はL、2Lが中心という。

 

20年は記録的不作、21年は新型コロナウイルスの影響で、出発式は3年ぶりに開催。JAあまみの窪田博州代表理事組合長はあいさつで、在日ベトナム人向けの需要増大で民間による果実買い取りが顕在化していることに触れ「生産者で築き上げてきた(消費者への)信用を堅持するためにも、選果場への出荷をお願いしたい」と呼び掛けた。

 

伊集院幼大和村長は「肥料高騰が進む中、農家の皆さんが安心して生産できる環境づくりのため、村もさらに支援していく。JAとも連携した販売展開にも取り組む」と述べ、生産者を激励。村果樹振興会の藤村秀久会長は「奄美プラムを次世代に受け継いでいくには今が踏ん張り時。新しい技術導入や関係機関の協力を受け、生産量回復を目指していく」と生産者の立場から決意表明した。

 

湯湾釜選果場では5月30日から奄美プラムの集荷が始まり、今月3日までに4・3㌧を選果、3・5㌧を出荷した。出荷は今月20日ごろまで続く見込み。伊集院村長は6日に塩田康一県知事を表敬してプラムを届け、村特産品をPRする。

テープカットで出荷開始を祝った出発式=3日、大和村のJAあまみ湯湾釜選果場