初競り、威勢よく 1次産業の振興願う 名瀬漁協、中央青果

2024年01月06日

社会・経済 

新鮮な魚が並んだ名瀬漁協の初競り=5日、奄美市名瀬

奄美市の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)と名瀬中央青果(森山直樹社長)で5日早朝、初競りが行われた。行政関係者も参加し、1次産業の振興を祈念。荷さばき所に威勢のいい掛け声が響き、今年の取引が始まった。

 

名瀬漁協の初競りは午前6時半にスタート。漁協組合員らが乾杯して今年1年の豊漁と操業中の無事故を祈った。

 

威勢のいい掛け声が響いた名瀬中央青果の初競り=5日、奄美市名瀬

満林組合長は「燃油高騰で漁船漁業が逼迫(ひっぱく)しているが、コロナが落ち着いて戻りつつある観光客へ奄美の水産物を供給できれば。漁業者の航海安全と大漁を願う」とあいさつした。

 

荷さばき所には水揚げされたカンパチやハマダイ、チビキなどがずらり。仲買人は目当ての魚介類などを次々と競り落としていた。

 

同漁協によると、水揚げ量は昨年の初競りに比べ、約450キロ少ない958キロ。価格はスジアラなど一部魚種は好調だったが、全体的には平年並みだった。

 

名瀬中央青果の競り始め式は同8時半に始まり、関係者が今年1年の商売繁盛を三本締めで祈念した。安田壮平市長が鳴らした鈴の音を合図に競りが始まり、キャベツやキュウリ、葉ニンニクなど地場産の農産物が次々と競り落とされた。

 

森山社長は今年の青果市場運営について「奄美群島は離島のため、台風が襲来する夏場や海が荒れる冬場は定期船が欠航する。地場産農産物の生産量が増え、安定的に取り扱いできたら」と願った。

 

この日の入荷量は野菜5000・9キロ、果実516・5キロ、花卉(かき)86キロ。うち地場産は全体の約53%。昨年末は暖冬の影響で全項目で入荷量は少なかったが、初競りでは野菜が平年より増加した。果実は津之輝が増えた一方、ポンカンの入荷は少なかった。単価は前年と比べ、野菜が安値、果実と花卉は高値で推移した。

 

恒例のご祝儀相場はスターフルーツに1パック当たり2224円の高値が付いた。