単収向上への取り組み紹介 天城町のパッション農家吉川さん 県青年農業者会議

2025年02月14日

社会・経済 

県青年農業者会議のプロジェクト発表で、パッションフルーツ栽培における新たな取り組みを紹介した吉川勝也さん=12日、鹿児島市

県青年農業者会議(県農業青年クラブ連絡協議会、県主催)が12日、鹿児島市の県青少年会館であり、県内の若手農家9人が登壇して農業経営への思いなどを発表した。奄美からは徳之島地区の吉川勝也さん(天城町)が登壇。パッションフルーツの単収(10アール当たり収量)向上を目指して新たな栽培方法に取り組み、その成果と課題を報告した。

 

同会議は、県内の青年農業者が集い、日ごろの実践や研究活動から得た知識や技術を相互交換するのが目的。63回目の今回は、就農に至った自らの経験などを語る意見発表(輝けトーク)に4人、問題解決のための活動実践について紹介するプロジェクト発表に、吉川さんを含め5人がエントリーした。

 

約20アールでパッションフルーツをハウス栽培する吉川さんは、単収向上や果実肥大が期待できる新たな生産方法「つり上げ仕立て」に挑戦した。従来の「つり下げ仕立て」で栽培した果実と着果数や品質などを比較することで効果を検証。「つり上げ仕立て」では単収が約1・3倍に向上するなど成果が得られた。

 

実証を通して、定植時の作業に時間がかかるなどのデメリットも把握できた。吉川さんは仕立て方法の再検討と管理作業の省力化を課題に挙げ、「自ら実践して成果を伝えることで、地域のパッションフルーツの生産性向上に少しでも貢献したい」と語った。