名瀬中央青果 威勢よく初競り

2018年01月06日

社会・経済 

威勢のいい掛け声が響いた名瀬中央青果=5日、奄美市名瀬

威勢のいい掛け声が響いた名瀬中央青果=5日、奄美市名瀬

 奄美市の名瀬中央青果㈱(福山治社長)と名瀬漁業協同組合(南信一郎組合長)で5日朝、初競りが行われた。行政関係者も出席し、観光客の増加など奄美への追い風を強調するとともに、1次産業の振興も祈念。荷さばき所に威勢のいい掛け声が響く中、今年の取引が始まった。

 名瀬中央青果の初競りは午前8時半からあった。

 初競りに先立ち福山社長は、タンカンの豊作に伴う価格低迷や、台風の影響で地場産野菜へ大きな打撃を受けた昨年を振り返るとともに、「最近は(大都市圏の)中央市場を物流の拠点と位置付けた施設整備が進められているが、われわれ地方の卸売市場もそれに負けないように英知と工夫を結集していこう」などと述べ、抱負に力を込めた。

 朝山毅奄美市長は「今年は世界自然遺産登録の実現も期待され、これまで以上に多くの観光客の来訪が見込まれる。奄美ならではの食、新鮮な野菜や果物を提供するため、皆さんの力を借りなければならない」と、関係者の奮闘に期待した。

 1年間の豊作と商売繁盛、食の安心安全を願って三本締めが行われ、鈴の音を合図に初競りがスタート。市場にはポンカンやダイコン、キュウリ、キャベツ、カボチャなどが並び、買い付けに訪れた業者らが次々に競り落としていった。

 パッションフルーツにはご祝儀相場としてキロ当たり2018円の高値が付いた。
 同社によると、同日の入荷量は野菜2484・8キロ、果実1148キロ、花き887・5キロ。地場産が全体量の約9割を占めた。