営業店舗に多数来店 再接近も日中風弱まる 奄美市 台風6号

2023年08月07日

社会・経済 

買い物客でにぎわうグリーンストア入舟店=6日、奄美市名瀬

台風6号が奄美地方に接近した6日、奄美大島のスーパーや飲食店などは多くの店舗が臨時休業した。一方で朝から昼過ぎにかけて一時的に風雨が弱まったことから、奄美市名瀬の中心市街地周辺の一部の店舗では当初の休業予定を変更して営業。住民や観光客らが多数来店した。

 

グリーンストアは当初、5日のうちに全5店舗を臨時休業する予定だったが、6日は風が弱まる予報だったこともあり、客足が途絶えなかった入舟店のみ営業を継続。店内では飲料水やカップ麺、冷凍した魚介類などを求める買い物客が列を作り、店舗周辺も駐車待ちの車で混雑した。

 

同社の里綾子代表取締役(45)は「地域のために少しでもお役に立てればと思い、従業員の安全を考慮して社の幹部ら一部のスタッフだけで営業を続けた。商品が不足して最低限の営業だが、お客さまに喜んでいただくのが一番」と話した。グリーンストアは7日から、全5店舗で通常営業する予定という。

 

大衆食堂「味の銀海」はランチ営業を実施。周辺の飲食店がほぼ閉店していたため、地元客を中心に多くの人が来店して昼食を味わっていた。

 

家族3人で訪れた市内在住の37歳女性は「買いだめていた野菜がなくなり、自宅で作れない料理が食べられた。栄養の偏りも気になっていたので、営業してくれて本当にありがたい」と話した。

 

奄美市名瀬のドラッグストアには飲料水や乾電池などを求める買い物客が多数訪れ、広い駐車場が一時満車となった。観光客とみられるレンタカーや、家族連れの姿も目立った。市内から子ども2人と来店した40代の男性は「食料品は少なかったが飲み物や菓子などを買い、子どもたちの気分転換をさせてもらえた。早く日常が戻ってほしい」と話していた。