国産コーヒーの可能性探る 西日本コーヒー商工組合が視察 沖永良部島

2025年02月08日

社会・経済 

沖永良部島で行われた西日本コーヒー商工組合の国産コーヒー視察ツアー=7日、和泊町

コーヒーの焙煎加工、販売業者で構成する西日本コーヒー商工組合(雲田将央理事長、29社)の関係者が6日、沖永良部島のコーヒー農園を視察するため来島した。同島でコーヒーを栽培する同組合員のJUN建設コーヒー事業部(霧島市)が受け入れ、ほ場の状況や収穫から加工までの工程などを見学した。8日まで滞在する。

 

JUN建設コーヒー事業部は面積約1万平方メートルで約4千本のコーヒーノキを栽培。生産、出荷、ほ場運営、収穫加工までを一括管理し、「ノアコーヒー」として売り出している。

 

同商工組合によると、国産コーヒー農園の視察は初めて。海外での生産減や価格高騰を背景に、国産コーヒーの可能性を探る目的で組合員12人が参加した。7日は同社取締役で農園主の山下さつきさん(53)=和泊町出身=の案内で、農園や加工所、店舗を訪問。農園では収穫体験も行った。

 

視察に参加した組合元専務理事の一美洋二郎さん(68)は「コーヒーはどれがいい、うまいではなく、おいしくつくり上げるもの。栽培から加工まで、山下さんの取り組みはなかなかできないこと。熱意が伝わった」と感想。国産コーヒーの可能性について「国内で取れる量は限られている。コーヒーだけでなく、観光や雇用にどう結びつけていけるかだと思う。われわれ組合もPRに努めたい」と述べた。

 

山下さんは「焙煎からの加工工程ではなく、生産からコントロールできるのが国産の強み。今後、国産コーヒーは必要とされていく。コーヒー農園が日本にあって稼働していることを、机上論ではなく、実際に現地で見て、熱意を感じてもらえたと思う」と話した。