地場産ポンカン品薄続く 名瀬中央青果
2019年01月09日
社会・経済
年末年始の贈答用などに利用される奄美産ポンカンが品薄だ。奄美市の名瀬中央青果㈱には年明け以降、8日までに75キロが持ち込まれただけ。2018年9月末に奄美群島を襲った台風24号の影響が大きな要因。関係者からは、2月以降のタンカンについても台風被害による出荷減や価格高騰など影響を懸念する声が聞かれる。
名瀬中央青果によると、昨年12月のポンカン入荷量は9・1トンで、キロ当たりの平均単価は445円。入荷量は前年同月の23トンの半分以下で、単価は前年同月の260円の1・7倍に達した。
ポンカンは例年、年明けの1月中旬まで入荷が続くが、今期は昨年12月中旬以降、ほとんど入荷がない状態。今月5日の同市場初競りにもポンカンの入荷はなく、7日に75キロが持ち込まれたものの、8日は再び入荷ゼロとなった。
ポンカン以外で同市場へ入荷している地場産かんきつは、伊予かんやはっさく、サワーポメロなど。ポンカンからの改植が進む新品種の津之輝(つのかがやき)も昨年12月に入荷があったが数量は1・1トンと少ない状態。同市の小売店関係者からは「(他のかんきつを含め)ポンカンをカバーするには至っていない」との声もあった。
奄美市名瀬の生産農家が経営する果樹園では、11月中旬からの収穫期を前にほとんどの果実が台風24号の影響を受けて落果した。生産者は「台風の暴風で根元から折れた樹木も多く、収穫はゼロだった。こんな年は、営農開始後初めて」と無念そうに語った。
さらに、タンカンについても「台風の影響で、ポンカン同様に落果が相次いだ」と説明。名瀬中央青果の担当者も「収穫量の減少に加え、台風による傷果も心配」と不安視し、流通開始後の価格高騰を懸念した。