大島の黒字額5病院で最大―県立病院13年度決算

2014年06月05日

社会・経済 

1 【鹿児島総局】県はは4日、2013年度病院事業特別会計決算見込みを公表した。大島病院を含む県立5病院全体は経常収支で前年度比9200万円増の5億8400万円、減価償却前収支と資本的収支を連結したキャッシュベースでの収支を示す「資金収支」は同800万円増の11億6200万円と、それぞれ黒字を計上。経常収支が5年、資金収支は8年連続の黒字決算となった。県立病院局は「県立病院事業中期事業計画(11~15年度)の収支目標を全体で達成。地方公営企業法を全部適用した06年度にスタートした経営改善改革の取り組みは順調に成果を上げている」としている。

 総収益は前年度比1億1100万円増の177億9300万円。医師数の減少が影響して患者数は減ったものの、施設基準の新規・上位取得など診療体制の充実に伴う診療報酬の加算があり、前年度に4年ぶりのマイナスとなった診療収益が1億2900万円の増となった。
 総費用は給与費などが減少した一方、材料費が増加し、前年度比1900万円増の172億900万円となったことから、経常収支が過去3番目、資金収支は2番目の黒字額をキープした。
 病院別にみると、経常収支は北薩を除き黒字を計上。前年度赤字だった薩南も黒字に転じた。大島の黒字額は前年度比4400万円増の3億2900万円だった。資金収支も北薩を除く4病院で黒字となった。大島の黒字額は5億3200万円で前年度を4200万円上回り、5病院の中で最大。
 1日当たりの患者数は入院が前年度比15・6人減の833・1人、外来は同116・5人増の1099・9人。診療単価は前年度を入院が927円、外来は70円それぞれ上回った。病床利用率は全体で84・6%、大島は84・0%。
 県立病院事業の累積欠損金は約111億円余に上る。しかし、前年度から約4億9000万円縮減され、病院事業運営に必要な現金・預金である内部留保金を前年度比11億6200万円増の89億3900万円確保していることから、「病院運営に支障を来すものではない」(県立病院課)。
 県立病院局は、診療報酬改定など国の医療制度改革の動向や医師不足、消費税増税など今後の病院経営における不安定要素への対応を課題に挙げ、「県立病院事業中期事業計画に基づき経営の安定化に軸足を置きながら、医療面での充実も図りたい」としている。