奄美地区7割超の減少 年の修学旅行宿泊者

2021年06月12日

社会・経済 

 県観光連盟がまとめた2020年の県内の修学旅行延べ宿泊者数は、前年比7895人(12・67%)減の5万4405人だった。18年以降3年連続の減少。昨年については新型コロナウイルスの感染拡大が主な要因で、8地区中6地区が前年を下回った。奄美地区は2239人(71・35%)減の899人にとどまった。奄美地区が1000人を割り込んだのは1999年の880人以来。

 

 宿泊実績は鹿児島市内でこのほど開かれた県教育旅行受入対策協議会(池畑憲一会長)の定期総会で報告があった。宿泊者数が減少した一方、県内で修学旅行を行った学校数は延べ602校で、前年に比べて23校増加した。県外の学校が新型コロナの影響で行き先の変更や中止を判断した一方、県内の小規模校が行き先を県内に切り換えたケースが多かったためとみられる。

 

 延べ宿泊者の状況を地区別にみると、4月には緊急事態宣言が発令され県境を越える移動が制限されたことで、8月までの入り込み実績はほとんどなかった。

 

 県観光連盟によると、奄美地区の調査対象は奄美大島と与論島の2島で、与論島での宿泊者はなかった。同連盟は「与論島に移動する場合の経由地である沖縄で新型コロナの感染が拡大したことも要因」と分析。奄美大島については「来島する学校の多くが関東、関西の大都市圏から。地元で感染が広がり、大半の学校が修学旅行そのものを中止したためではないか」としている。

 

 県全体では6地区が減少した一方で、霧島地区(1万4857人、前年比202・09%増)と、指宿地区(1万2879人、同10・44%増)は増加。県内の学校が指宿市と霧島市の新たな教育旅行支援制度を利用し、訪れたためとみられる。

 

 県内で最多の2万584人が宿泊した鹿児島地区でも鹿児島市が支援制度で県内の学校の利用が増加したが、県外からの減少分を補うことができず、宿泊人数は13・65%減少した。