官民20機関が連携 徳之島で世界自然遺産推進協を設立 島一丸で環境の保全、活用
2023年05月30日
社会・経済
【徳之島総局】徳之島3町の官民20機関で構成する「徳之島世界自然遺産推進協議会」の設立総会が29日、伊仙町中央公民館で開かれた。関係者約40人が参加。世界自然遺産登録された徳之島の自然環境の保全・利活用や人材育成などを柱とした2023年度の活動計画案、予算案など計6議案を承認。世界自然遺産に関する島内での各事業に〝オール徳之島〟で取り組む体制がスタートした。
同協議会は21年7月に実現した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を受けて設立。島内3町と関係機関が連携して①情報の収集と共有②自然環境の保全と活用③人材育成④民間企業との連携⑤催事や普及啓発―などに取り組む。
協議で、初代会長には大久保明伊仙町長が就任した。任期は設立準備期間の22年度を含めて今年度末までの2年間。以降は各町が輪番で事務局と会長を務める。協議会が管理、運用する基金の名称については多数決で「ユイの島徳之島世界自然遺産基金」に決まった。
大久保会長は「徳之島は人間の生活圏と世界自然遺産エリアが非常に密接であることが特徴。島内のごみ処理や不法投棄など解決しなければならない課題も多い。解決のためにも協議会で積極的に意見を出してほしい」と協力を呼び掛けた。
23年度の活動計画は▽アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)防止のための防護柵設置▽エコツアーガイド育成研修の実施▽情報発信のためのウェブサイト制作―の3点が柱。予算は歳入歳出それぞれ231万2千円。主な支出は、ウェブサイト制作委託料80万円、防護柵原材料費30万円、会員とガイド研修講師への報奨費26万6千円など。
議事の後には意見交換や勉強会の場も設けられた。会員から「他島の協議会との連携」「特定外来生物の防除」などの要望が上がった。