島内共通電子マネー目指す ㈱グリーンストア

2019年07月25日

社会・経済 

キャッシュレス決済へ普及が期待される「あまみカード」=20日、奄美市名瀬

キャッシュレス決済へ普及が期待される「あまみカード」=20日、奄美市名瀬

 奄美市名瀬の㈱グリーンストアは、現金を使わずに買い物ができる「キャッシュレス決済」を普及しようと、同社の先払い式電子マネーカード「あまみカード」に参画する加盟店を募集する。10月の消費増税を前に、同社に国のポイント還元事業の認可が出たことがきっかけ。加盟店が増えれば、消費者があまみカード1枚で買い物できる店が広がり、キャッシュレス化に加速がつくと期待されている。

 

 グリーンストア(長浜、入舟、古田、伊津部、末広計5店舗)と入舟店に併設されている100円ショップダイソーでは、3年前から電子マネー「あまみカード」を発行。利用者は初回に100円の発行手数料を支払い、カードを作成。レジや店内の専用機械でカードに現金をあらかじめ入金し、金額分だけ会計時に利用できる。

 

 奄美市の世帯数2万3901世帯(2019年6月末)に対し、市内のあまみカード会員数は約1万2千人(19年1月現在)。市内のカバー率は約50%に上る。

 

 ポイントカードとしての機能も備え、会計200円ごとに1ポイントを付与。同社によると、客の年齢層が高いグリーンストア古田店では70代~80代の高齢者も電子マネーを利用。ポイント還元率が高い日に来店するなど上手に使いこなしているという。

 

 経済産業省は10月1日からの10%への消費増税を前に、全国の中小・小規模事業者を対象にキャッシュレス決済でのポイント還元希望事業者を募集。グリーンストアも申請を出し認可が下りた。これにより、あまみカードで買い物をすると、毎会計ごとに5%を電子マネーとして国から還元される。県内ではほかに3社しか認可されていない。

 

 同社はこれを機に参画する加盟店を募集。加盟店側には、電子マネー決済用の機材が必要となるが、導入費や設置手数料は国と同社が負担。機材の設置も同社が行う。

 

 消費者は加盟店であまみカードを使うと、国から2~5%が電子マネーとして還元され、さらにグリーンストアのポイントがたまる。同社は「5%還元されるならここで買い物しよう、と送客効果が見込まれる」とメリットを強調している。

 

 里綾子取締役部長は「電子マネーを導入したときから、島内を一つのカードで買い物できるようにするのが悲願だった。今は財布を持たずに携帯電話とあまみカード1枚で買い物に来るお客さまも増えた。ぜひ多くのお店に参加してもらいたい」と話している。

 

 10月1日のポイント還元開始に間に合わせるためには、8月上旬までの加盟登録申込が必要。同社は29日午後2時~3時、奄美市名瀬の奄美大島商工会議所で加盟店向けの説明会を開く予定で、多くの参加を呼び掛けている。