役割分担、連携を確認 網野子トンネルで防災訓練 奄美大島

2023年12月15日

社会・経済 

網野子トンネル内での交通人身事故を想定した防災訓練=14日、瀬戸内町

奄美市住用町と瀬戸内町を結ぶ国道58号網野子バイパスの「網野子トンネル」(延長4243メートル)で14日、交通人身事故を想定した防災訓練があった。警察と消防をはじめ関係機関から約50人が参加。救助活動の実践を通じて役割分担や連携を確かめた。

 

同トンネルは2015年3月供用開始。一般道のトンネルとしては奄美群島内最長、県内で2番目の長さを誇る。事故が発生した際に避難救助活動の難航や被害の拡大が懸念されるとして、毎年1回、関係機関で訓練を実施している。

 

訓練場所は住用町側の入口から1・3キロの地点。自動車2台が正面衝突し、うち1台から燃料が漏れたとの想定で行った。事故当事者の通報から負傷者の救出・搬送、周辺の交通整理、救助後に発生した車両火災の消火、現場検証まで一連の活動を実践した。

 

訓練後、大島地区消防組合の伊集院正名瀬消防署長は「迅速な事故対応が遂行され、意識の高まりを感じた」と講評。県大島支庁瀬戸内事務所の長井正彦総務課長は「来島客の増加に伴い交通量は増える見通し。被害抑制につながるよう連携を強めたい」と述べた。

 

瀬戸内署によると、同トンネル内では供用開始以降、交通事故が人身、物損それぞれ2件発生している。