徳之島、喜界島で本格化 水陸両用作戦の部隊展開 日米共同訓練

2023年03月03日

社会・経済 

燃料補給のため着陸した陸自の輸送機オスプレイ=2日午後4時すぎ、天城町の徳之島空港

陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練「アイアン・フィスト23」は3日、徳之島や喜界島などで本格化し、水陸両用作戦を担う部隊の展開訓練などが行われる。昨年11月に続いて日米共同軍事訓練が2度目となる徳之島では海岸への着上陸訓練を行い、輸送機オスプレイの離発着なども組み込まれる計画。初めて訓練が行われる喜界島では陸自第1空挺団のパラシュート降下を行う予定。

 

陸上幕僚監部広報室によると、アイアン・フィストは水陸両用作戦を軸に装備を展開し、模擬戦闘や後方支援などを実践する大規模演習。2006年から米国本土で毎年行われており、日本国内では初めて実施。在沖米海兵隊と連携し「より実際の運用に近い訓練」を目指している。

 

訓練全体の日程は2月16日~3月12日。参加規模は陸自の水陸機動団や第1空挺団など約800人、米側は海兵隊駐屯地キャンプ・ハンセン(沖縄県)の第31海兵機動展開部隊や米海軍第7艦隊など約900人が見込まれている。訓練は徳之島と喜界島のほか、キャンプ・ハンセンや大分県の陸自日出生台演習場などでも実施している。

 

3日は徳之島で沖合の米強襲揚陸艦「アメリカ」、海自輸送艦「おおすみ」から日米の偵察ボートと水陸両用車(AAV)、揚陸艇「LCAC(エルキャック)」を展開し、徳之島町の花徳浜で着上陸訓練を実施。伊仙町総合グラウンドではオスプレイが離発着する。陸自第1空挺団のパラシュート降下は主に喜界島で行い、徳之島でも着上陸訓練と連接させて実施する。

 

徳之島では訓練本格化を前に2日、オスプレイが周辺を飛び交い、予行と燃料補給のため伊仙町総合グラウンドや徳之島空港に離発着した。当初は同日夕、花徳浜で着上陸訓練が予定されていたが、強い風が吹き、波が高くなったことから中止となった。

 

奄美群島での日米軍事訓練は19年に初めて実施され、今回で5回目。22年度は昨年8~9月と11月にも行われており、頻度を増している。海洋進出の動きを強める中国を念頭に、南西諸島の防衛強化を強くアピールするのが狙いとみられる。