海自船の見学に517人 南極の氷の展示も 喜界町湾港

2024年05月14日

社会・経済 

湾港に寄港した「水中処分母船6号」(上)と、船内で隊員からダイバーの潜水器具について説明を受ける見学者ら=12日、喜界町湾

沖縄・奄美近海を任務海域とする海上自衛隊那覇基地隊(沖縄県うるま市)所属の「水中処分母船6号」(300トン、石丸勝船長)が12日、喜界島の湾港に寄港し、一般公開を行った。岸壁では防衛省喜界島通信所が南極観測船「しらせ」から譲り受けた南極の氷も展示。家族連れを中心に、地元住民ら517人が見学に訪れた。

 

湾港に寄港した「水中処分母船6号」(上)と、船内で隊員からダイバーの潜水器具について説明を受ける見学者ら=12日、喜界町湾

同船は全長46メートル、幅8・6メートル。海中に沈む機雷や不発弾の処理を行う「水中処分員」の移動、支援などを担う。

 

船内見学では、隊員が操舵(そうだ)室やダイバーが使用する潜水器具などを説明。喜界町早町の髙山恵美子さん(79)は、今回同船が湾港へ寄港することから乗船していた海自那覇基地隊隊員の次男と面会し「昔の不発弾処理など、危険で大事な仕事をしていると聞き、地域や国を守るため日々活動している姿に心強く感じた」と話した。

 

南極の氷は、喜界島通信所が地域交流を目的に海自佐世保地方隊へ譲渡を申請し、譲られたものを展示した。氷の一部を味見した見学者も。同町湾の園田縁士君(10)は南極の氷の入ったコップに耳を当て聞き入り「本当にプチプチと音が聞こえる」と感動した様子で話した。

 

石丸船長は「喜界島は初めてだが、ゆったりしてのどかな島だと感じた。多くの方々が見学に訪れ、日ごろの活動を知っていただける機会となった。喜ばしい限りです」と話した。