特産の葉タバコ収穫進む/農家減少も、2年連続の豊作/知名町
2019年05月25日
社会・経済
【沖永良部総局】知名町特産の葉タバコの収穫作業が進んでいる。葉タバコは沖永良部島が奄美唯一の産地で、現在は知名町のみ26戸で栽培。高齢化や台風被害などの影響で生産者数は減少傾向だが、ここ数年は気候に恵まれ豊作が続いている。
知名町農林課によると、10年前の2009年の農家戸数は71戸、栽培面積144・4ヘクタール。総売上額は5億2200万円だった。収穫期に大型台風が直撃した11年の総売上金は3700万円。壊滅的な被害を受け、翌年は農家戸数が一気に約4割減少。その後も減少が続いている。
一方、17年産は単収(10アール当たりの収量)が214キロとなり、09年産以来8年ぶりの200キロ超え。18年産は単収230キロと2年連続の豊作だった。
今年は町内56ヘクタールで栽培。植え付け期の2月に雨の日が多かったため作業が遅れ、ほ場によって生育にばらつきが見られるものの、ほぼ平年並みの作柄。
町葉たばこ振興会(元栄章裕会長)は単収225キロ、総売上額2億5千600万円の達成を掲げて収穫、管理作業に励んでいる。
知名町住吉の川畑伸之さん(60)は約2ヘクタールで葉タバコを栽培。4月下旬から収穫作業を進めている。梅雨の合間に青空が広がった今月21日も作業員と4人体制で、一㍍近くに育った葉の間を何度も往復しながら、丁寧に葉を摘み取っていた。
川畑さんは「(作柄は)ほ場で差はあるが、全体的には悪くないと思う。6月中には収穫を終わらせたい。それまで台風が来なければいい」と話していた。