県内企業は「放送効果に期待」=九州経済研究所調査
2018年02月19日
社会・経済
経済)◎県内企業は「放送効果に期待」=九州経済研究所調査
九州経済研究所(鹿児島市)はNHK大河ドラマ「西郷どん」の放送にちなんだ企業の取り組みを調査した。「放送効果に期待している」と答えた企業の割合は68%に上り、卸売・小売業や旅館・ホテル業で関心の高さがうかがえた。夏には奄美の世界自然遺産登録が見込まれ、同所は「登録が追い風になり、県経済は一層盛り上がる」としている。
西郷どんの放送は2016年9月に発表された。鹿児島が舞台の大河作品は08年の「篤姫」以来10年ぶり。明治維新150年とも重なり、県内外で関連商品の企画が盛んになった。日本政策投資銀行は県内への経済効果を328億円とみている。
アンケートは昨年12月、県内の主要企業351社が回答した。ドラマ放送にちなんだ取り組みに前向きな企業(「取り組んでいる」と「今後は取り組みたいと考えている」)は56%。「現在は取り組んでおらず、今後も予定はない」と答えた企業は44%だった。
小売業などは明治維新150年を記念した焼酎や特産品の開発、旅館・ホテルは西郷どんにちなんだ宿泊プランを打ち出している。
具体的な取り組み(複数回答)は「新商品や新サービスの開発と販売」が47%と最も多かった。「キャラクターやロゴの使用、『西郷どん』を商品名にする」は39%。「県内外でのイベント開催、参加」は24%だった。
放送効果に期待している企業は、売り上げ増や宣伝効果などを理由に挙げた。
一方で放送効果に期待せず、何らかの取り組みをしていない企業からは▽業種的に関連がない(66%)▽良い影響はありそうだが優先順位が低い(21%)▽具体的な方法が分からない(10%)―との理由が挙がった。
調査内容は同所発刊の「KER経済情報2018年2月号」(定価800円)に掲載している。