結婚祝いは「三献」で シマ(奄美)ならではのもてなし 神奈川の新婚夫妻
2018年04月11日
社会・経済
神奈川県在住の赤崎雄太さん(32)と奈都子さん(39)夫妻は3月19日、鹿児島県奄美市名瀬のシマ料理屋「なつかしゃ家」で、「三献(さんごん)」を取り入れた食事会を開きました。近親者や親しい友人計11人が出席。雄太さんのふるさと奄美で、「シマ(奄美)ならではのもてなしで感謝を伝えたい」という2人の願いをかなえました。
雄太さんは奄美市名瀬出身、奈都子さんは北海道札幌市出身。以前2人で奄美を訪れた際、同店のシマ料理に感激し、式前日の食事会場として店を予約しました。
また、両親には内緒で、2人が黒紋付き羽織はかまと白無垢(むく)姿で登場する「サプライズ」を企画。地元の親戚も協力し、事情を聞いた店主・恵上イサ子さんの提案で、三献の演出が加わりました。
当日は出席者全員がそろったところで突然ふすまが開き、正装の2人が登場。会場からは驚きや歓喜の声とともに拍手が沸き起こりました。
和やかな雰囲気の中、出席者は「おそろー(召し上がれ)」の呼び掛けで一の膳、二の膳、三の膳、間に酒をいただいて三献を済ませると、シマの幸たっぷりの料理を楽しみました。
雄太さんは「地元の親戚も来てくださり、奄美で式を挙げられることがうれしい」、奈都子さんは「両親に和装を見せたかったので喜んでもらえてよかった。(サプライズに)協力してくださった皆さんに感謝している」と感激した様子で話しました。
雄太さんの父・赤崎松一さん(59)=神奈川県=は「仕事のためシマ(奄美)を離れて二十数年。先祖代々根っこは奄美にある、と息子に言い聞かせていた。息子なりに考えてくれたと思う」、奈都子さんの父・青木篤さん(69)=埼玉県=は「地元ならではのもてなしに感動した。奄美にいい縁ができてよかった」と喜びを語りました。
以前からシマにこだわった祝いの場を提供したかったという恵上さん。「今回はいろんな人の思いで実現できた。シマは思いを紡いでいく場所であり、2人にはそういう家庭を築いてほしい。この店が人と人をつなぐ拠点になればうれしい」と話しました。
20日、2人は奄美市笠利町のビーチで、招待客40人を前に結婚式を挙げました。