認知症に理解深めて 企画展、県内離島で合同開催 世界アルツハイマー月間

2023年09月20日

社会・経済 

世界アルツハイマー月間に合わせて認知症に関する意見を募集している奄美病院の企画展=19日、奄美市名瀬

9月は国際アルツハイマー病協会などが定める「世界アルツハイマー月間」。認知症に理解を深めてもらおうと、大島・熊毛地区を中心とする県内離島の医療機関など計26団体は11日から、啓発のための企画展を合同開催している。奄美群島からは奄美病院と各自治体の地域包括支援センターが参加。各会場でポスターやパンフレットを掲示するほか、認知症に関する当事者・支援者目線の意見を募集する。展示は9月末まで。

 

企画展の合同開催は、奄美病院認知症疾患医療センターの呼び掛けにより初めて実現。離島の関係機関が連携し、当事者や家族が安心して暮らせる地域づくりに貢献することを目的としている。

 

同病院では外来ロビーで企画展を実施。全国認知症サポーターキャラバンのマスコットキャラクター「ロバ隊長」を模した台紙に、シンボルカラーのオレンジ色の紙に来場者がそれぞれ意見を書いて貼り付ける。 募集開始後、19日までに「優しく一緒に会話をしてほしい」「一人じゃ寂しいので施設で過ごしたい」「(支援者は)無理をしないで」など多くの声が寄せられていた。

 

厚生労働省によると、2025年までに認知症高齢者の数は65歳以上の5人に1人に達する見込み。同センターの森越志保精神保健福祉士は「認知症は誰もがなりうる身近な病気。しっかり理解することで前向きに捉えられるようになってほしい」と話した。

 

世界アルツハイマー月間の啓発活動の様子は企画展の公式インスタグラムでも確認できる=QRコード。