重篤患者の救命率向上へ-県立大島病院
2014年06月08日
社会・経済
奄美市名瀬の県立大島病院(眞田純一院長、315床)に全国離島初となる救命救急センターが完成し、7日、同病院で開所式があった。集中治療室(ICU)を含む医療機能施設を中心に、人材育成のための臨床研修センター、ドクターヘリ導入を見据えた屋上へリポートを併設。重篤患者の救命率向上を図ることで、奄美群島の医療を群島内で完結できる体制づくりを目指す。9日運用開始。
同施設は救命救急センターより小規模の地域救命救急センター(専用病床10床以上20床未満)に指定される。本館病棟横に総事業費約19億円を投じ7階建ての別棟(延べ床面積4409平方㍍)を建設した。
救命救急センターの機能を持つ1~3階は同病院初のICU4床をはじめ、救急病床6床、診察室、手術室などを配置。4~6階は研修施設となる臨床研修センターを整備した。ドクターヘリ導入を含むヘリポートの運用時期は未定という。
4月に救急科を新設し、医師2人や看護師32人を含むスタッフ計39人を配置したほか、各診療科専門医(兼務)や研修医1人も勤務に加わる。全ての救急患者がセンターへ搬送される仕組み。本館と連結され、患者の緊急度に応じて迅速に対応できる。
開所式は医療、行政関係者ら約100人が出席した。伊藤祐一郎知事は「機能を最大限に活用し、奄美地域の救命救急医療の確立に取り組んでほしい」と期待を寄せた。