集客力向上へ効果大 奄美・熊毛モニターツアー
2018年12月16日
社会・経済
世界自然遺産候補地の奄美大島と自然遺産の屋久島、種子島を巡る「奄美・熊毛周遊モニターツアー」が15日、奄美大島で始まった。関西や北部九州を拠点とする旅行エージェントの関係者らが来島して奄美大島北部の観光名所や施設などを訪問し、奄美の歴史や文化に理解を深めた。奄美と熊毛の連携の動きについて「集客力向上へ効果は大きい」と期待した。
県の取り組みで、奄美地域と熊毛地域の観光の一体的なPRを図り集客増や観光振興につなげるのが目的。県は11月に「奄美・屋久島世界自然遺産観光連携事業」による大島支庁主導のモニターツアーを実施しており、今回は、熊毛支庁主導でツアーを企画、実施した。
参加者は伊丹空港と福岡空港を拠点にツアー商品を開発、販売する旅行エージェントの関係者など20人。15日は、龍郷町の西郷隆盛居宅跡を訪問。明治維新に貢献した西郷の奄美での暮らしぶりについて居宅跡を管理する男性から説明を受けたほか、同町の大島紬村ではハンカチやTシャツのテーチ木染めや泥染めを体験し、観光客へのアピールポイントを探った。
奄美、沖縄4島の世界自然遺産登録については国が6月に推薦を取り下げたが、11月2日には再推薦を決定。登録実現へツアー参加者の期待も大きい。
㈱日本旅行の原田弘司さん(64)は「日本最後の自然遺産となる可能性も大きいと聞いている。付加価値も含め、既に登録されている屋久島との連携効果は大きい」と分析。韓国発の旅行商品を取り扱うハナツアー九州営業所の李素淵(イ・ソヨン)さん(26)も「奄美は貴重で豊かな自然が知られている。屋久島の知名度は高く、連携で伸びしろはさらに広がる」と述べた。
一方で、交通網整備についても注文。「両地域を結ぶ交通手段は船便だけ。集客力を上げるためにも航空路が望ましい」(原田さん)、「集客力向上のためにも航空路線拡充を」(李さん)との声も寄せた。
一行は16日、奄美大島の中部と南部を巡り、同日夜、屋久島に移動。18日には種子島も訪れる。