集落法人化で地域守る 正名字の西区長が事例発表 大島地域共生・協働推進協

2025年02月28日

社会・経済 

かつて塩作りが行われた「北ムドゥル海岸」で、福田原里さん(右)の話に耳を傾ける参加者ら=25日、知名町

大島地域共生・協働推進協議会の地域リーダー研修会が25日、知名町正名字(まさなあざ)生活館であった。同協議会を構成する県と群島内の8町村、NPO法人などからオンラインも含め約15人が参加。知名町正名字の西登美勝区長(63)が同集落の「北(にし)ムドゥル海岸」の現地視察を交え、集落を法人化した地域づくりの取り組みを紹介した。

 

正名は知名町西部に位置する人口297人(1月末時点)の集落。2005年に「正名字」を法人化し、清掃活動や通学路となっている県道の拡張(歩道整備)要請などの環境整備、県無形文化財指定の「ヤッコ踊り」をはじめとする伝統芸能の継承、塩作りの体験活動など集落の活性化を図っている。23年度の県共生・協働型地域コミュニティづくり推進優良団体表彰の地域コミュニティ組織部門で奨励賞を受賞した。

 

事例発表では西区長が集落の多様な年中行事や活動を紹介。高齢化と人口減少に伴う集落や行事運営の後継者不足に対し「パズルピース型集落運営システム」を取り入れ、集落行事を洗い出し、可視化することで役割や分担を見直す取り組みを開始していることなどを伝えた。

 

現地視察では、かつて塩作りが行われていた「北(にし)ムドゥル海岸」を訪問。同集落の福田原里さん(92)が家族総出で塩作りに励んだ当時を語り、戦後の厳しい生活環境や先人たちの苦労に思いを寄せた。