鹿大生、奄美の課題探る JAL今年初のインターンシップ実施 活動の一環で市長表敬も
2022年09月08日
社会・経済
日本航空(JAL)グループの日本エアコミューター(JAC)が受け入れ企業として初参画する、鹿児島大学の「課題解決(PBL)型インターンシップ」は6日、奄美大島でのフィールドワークを開始した。鹿大の学生3人が現地入り。9日までの4日間、奄美大島の自治体や観光業などの現状、課題を調査し、奄美群島路線の維持・拡大を目的とする「地域と連携して取り組む地域活性化プラン」の策定を目指す。
2021年3月、JALグループと鹿大が包括連携協定を結んだことから、人材育成、キャリア形成支援の一環として、今年初の実施となる。同大のPBL型インターンシップは、地元企業が抱える課題の解決策を学生目線で提案するという〝地域密着〟が特徴で、実習期間は10日間。
JAL鹿児島支店の黒木もも代アシスタントマネージャー(49)は「航空業界が単に人や物を運んでいるのではなく、地域の皆さんとできることを模索していることも学んでほしい」と学生に期待を込める。
来島しているのは、法文学部3年の森崎百萌さん(20)、原田花梨さん(21)、横山眞美さん(21)。初日の6日は奄美市役所を訪れ、安田壮平市長をはじめ、世界自然遺産課、紬観光課など各関係課職員らと奄美の観光資源、地域ブランディング、オーバーツーリズム対策等の取り組みや課題についてディスカッションした。
地域が抱える課題を受け、横山さんは「観光だけで終わらせるのではなく、奄美への関心の広がりが、適切な自然保護や持続可能な地域づくりへとつながると感じた」と話し、森崎さんは「企業、住民、観光客の『三方よし』のビジネスモデルを作るため、地域の声に着目したい」とフィールドワークの重点を挙げた。
また、策定プランの構想について、原田さんは「地域の活性化には、持続的な収益化、交流人口だけでなく地域に関わる関係人口の増加が不可欠。〝奄美ファン〟の創出が鍵になる」と述べた。
4日間のフィールドワークで得た成果や課題などをとりまとめ、12日にJAC本社(霧島市)で発表する。