1人当たり郡民所得は204万円―2015年度郡民所得

2018年03月28日

社会・経済 

 【鹿児島総局】県は26日、2015年度の大島郡民所得推計を公表した。1人当たりの郡民所得は前年度比3・3%増の204万4千円となり、県民所得(238万4千円)や国民所得(305万9千円)との格差はいずれも縮まった。郡内総生産(名目)は前年度比2・1%増の3226億円で3年連続のプラス成長となった。

 

 1人当たりの郡民所得は現在の形で統計を取り始めた2006年度以降で最も高かった。郡内総生産は実質でも0・6%増の3119億円と2年ぶりにプラス成長となった。

 

 産業別では農業や卸売・小売業、保健衛生・社会福祉事業、宿泊・飲食サービス業の伸びが目立った。県統計課は▽サトウキビや子牛の生産が好調だった▽高齢化を背景に医療・福祉事業が伸びた▽格安航空会社(LCC)の就航などで交流人口が増えた―ことなどを一因に挙げている。

 

 産業別にみると、農林水産業は前年度比13・4%増の192億6500万円。農業と水産業は増加し、林業は減少した。製造業は16・8%減の100億5800万円。食料品は横ばいだったが、窯業・土石製品が大幅に減少した。

 

 建設業は241億9700万円で2・7%増加した。建築工事と補修工事は減少したが、土木工事が増加して全体を底上げした。卸売・小売業は322億4200万円と4・5%増えた。

 

 運輸・郵便業は2・3%増の195億1700万円だった。宿泊・飲食サービス業は7・3%増の99億8400万円と3年連続で増加した。

 

 郡民所得推計は奄美群島12市町村を対象に経済の規模や水準を明らかにし、奄振事業などの施策に役立てる。1人当たりの郡民所得は雇用者報酬や財産所得、企業所得の合計額を総人口で割ったもので、個人の実収入の平均を表すものではない。