3町で感染を確認 サトウキビ黒穂病が拡大 徳之島

2024年06月05日

社会・経済 

黒穂病で一部が変形し黒く変色したサトウキビ(県農業開発総合センター提供)

天城町で5月に発生が確認されたサトウキビの重要病害「黒穂病」の感染株が、その後の調査により徳之島町と伊仙町でも見つかっていたことが4日までに分かった。徳之島3町の担当課は生産者に対し、ほ場の確認徹底と黒穂病が疑われるサトウキビが見つかった場合の速やかな情報提供を呼び掛けている。

 

黒穂病はカビが原因の病気。主にイネ科の植物が感染する。発症したサトウキビは茎の先端部が細長い黒色のむち状になり、砂糖原料としての価値がなくなる。

 

予防薬はなく、万が一感染した場合、拡大防止のため発病した株を根ごと抜き取り、焼却処分する必要がある。

 

4日までに新たに感染が確認されたのは島内3カ所のほ場。いずれも生産者からの情報提供で判明した。

 

これまでに感染した株の品種は黒穂病への耐性が低い「農林27号」とみられる。同じく耐性が低い「農林23号」と合わせた島内での栽培シェアは6割以上となっていることから、関係者は大規模な感染拡大への警戒を強めている。

 

天城町では5月14日に黒穂病の感染株が浅間地区で確認され、同月29日に同地区の別のほ場で感染株約10本が見つかった。

 

県の調査によると、5月17日までに与論島を除く奄美群島の各島で感染が確認されており、今後の被害拡大が懸念されるとして県病害虫防除所は同月21日、奄美・熊毛地域に病害虫発生予察注意報を発令していた。