3集落を鶏卵生産直売拠点に 加計呂麻島
2018年09月20日
社会・経済
瀬戸内町加計呂麻島の活性化を目指す住民団体「あしたの加計呂麻島プロジェクト」(浜田英浩筆頭共同代表)は2018年度、鶏卵生産を起点とした「加計呂麻島のアンマ(祖母)とジュ(祖父)の元気づくりコミュニティ農業事業」(略称・アンマとジュのこっこ広場事業)に取り組んでいる。18日は鶏卵の生産直売拠点の一つとなる瀬武集落の公民館で説明会があり、地域住民約30人が参加。事務局から事業の説明を受けて意見交換した。住民からは費用の工面や労働力の確保、感染症への対応などについて質問や意見があった。
こっこ広場事業は地域課題解決に向けた県との協働事業(単年度)。業務委託費は200万円。加計呂麻島で昔行われていた鶏卵生産活動を復活させ、高齢者の生きがいづくりや世代間交流を活発化させる。合わせて、いずれは鶏卵だけでなく、野菜や海産物などを直売(配達)する広域的な地産地消の仕組みづくりを目的としている。
鶏卵の生産拠点は瀬武、花富、秋徳の3集落。各集落で50羽を購入、飼育し、増やしていく。説明会は既に秋徳で開催し、花富では今後開く予定だ。このほか、瀬相集落の空き家を改修し、全30集落の島民が集い、学び合える交流拠点施設を整備する。
こっこ広場事業と絡め、国の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業交付金(1960万円)を活用して移動販売車を購入。本土の大手流通企業と提携し、消費物資の流通システム構築も予定している。
瀬武集落では鶏小屋建設予定地の伐採作業を終えた段階。この日の説明会では、小屋造りや作業分担などの具体的な取り組みについて、今後より協議を深めることを申し合わせた。
事業の集落責任者となる田中広喜さん(58)は「高齢者と子ども、校区の皆さんが集えるコミュニティー広場、子供たちの人生の勉強の場になれば。また、地域住民に安く鶏卵を提供できるようにしたい」と話した。
あしたの加計呂麻島プロジェクトは2017年4月に始動。5カ年計画で、地域資源や集落景観の保全組織づくり、分担生産・直売事業システムの構築、6次産業の振興などに取り組み、総合的な地域創生基盤づくりを目指している。