「咲八姫」が日本一 沖永良部島産、県育成品種で初 消費拡大、産地活性化に期待 ジャパンフラワーセレクション

2022年12月15日

社会・経済 

フラワー・オブ・ザ・イヤーに輝いた咲八姫(県農業開発総合センター提供)

【鹿児島総局】県は14日、2022年度の最も優れた花きを選ぶコンテスト「ジャパンフラワーセレクション(JFS)」(同実行協議会主催)の切り花部門で、沖永良部島産のテッポウユリ「咲八姫(さくやひめ)」がフラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)に選ばれたと発表した。県育成品種では初の受賞。関係者は咲八姫の日本一受賞を喜ぶと同時に、認知度向上による消費拡大や産地活性化に期待を寄せている。

 

JFSは花きの新品種を評価する日本で唯一の統一的な審査会。06年度から開催し今年度で17回目を迎える。受賞品種は業界が推奨する品種として認定登録され、専用のロゴマーク(JFSマーク)を付けて販売される。

 

品種改良に取り組んだ県農業開発総合センター果樹・花き部によると、新品種の咲八姫は花びらが6枚の一重咲きである従来のテッポウユリとは違い、約2倍の花びらが重なり合って咲く八重咲き。花は上向きに咲き、立ち葉で草姿が良く、ユリの重要病害の一つである葉枯病に強いのも特徴という。沖永良部島で咲八姫を生産する農家は現在6人で、今年4月から東京や大阪などへの出荷を本格的に開始した。

 

生産者の一人、撰隆志さん(38)=和泊町=は「これから有力な品種になっていくと思うので、(受賞は)すごくうれしい。まだ生産量は少ないが、これから球根を増やしていき、技術を高め、全国にPRしていきたい」と語った。

 

同部花き研究室の担当者は「花き業界の関係者に評価された証しであり、大変喜んでいる。今回の受賞で今後、販売面でも有利になると思う。沖永良部島でも生産者が増え、さらに活気が出てくると期待している」と話した。

 

咲八姫は近く、鹿児島市の県庁1階ロビーで展示される予定。