今年もまったく採れず ウニ漁解禁、水揚げゼロ 奄美群島

2018年07月06日

社会・経済 

昨年に続き今年もウニが採れない奄美の海=5日、龍郷町

昨年に続き今年もウニが採れない奄美の海=5日、龍郷町

 奄美群島で1日、シラヒゲウニ漁が解禁されたが、昨年に続き今年もまったくの不漁となっている。5日までに奄美市の名瀬漁業協同組合に水揚げされたウニはゼロという異常事態で、関係者は頭を悩ましている。漁は8月末まで。

 

 シラヒゲウニは濃厚な甘みが特徴で、夏の味覚として島民に親しまれてきた。解禁日には、奄美大島北部の海岸を中心に漁師らが素潜り漁を行い、浜辺ではウニの殻を割る姿が見られるが、激減した昨年からその風景もほとんど見られなくなった。

 

 名瀬漁協のまとめによると、2015年に684万2756円あったウニの水揚げ高は、16年に274万2838円に半減し、17年には2916円にまで落ち込んでいる。

 許可証を兼ねた帽子を販売して一般にもウニ漁を開放してきた奄美漁協でも「ウニがいない。帽子への問い合わせもない」として帽子の準備もしていないという。

 

 2年連続の不漁に漁業関係者は「なぜ減っているのか原因不明。海藻が少なくなった影響とも言われるが、海藻がなくても豊漁の年もあった」と首をひねる一方、「根絶やしになる前に全面禁漁にするなどの対策が必要」との声も出ている。

 

 資源の回復を目指し、奄美群島水産振興協議会は本年度、瀬戸内町沿岸でウニを確保し、水槽で育てて放流する計画を立てているが、そのウニもまったく確保できていない状況にあるという。