今期パッション、品質良好 瀬戸内町で果実分析検討会

2018年06月14日

社会・経済 

品質と生産技術の向上を目的に開かれたパッションフルーツ果実分析検討会=13日、瀬戸内町

品質と生産技術の向上を目的に開かれたパッションフルーツ果実分析検討会=13日、瀬戸内町

 瀬戸内町を代表する特産果樹・パッションフルーツの果実分析検討会(瀬戸内パッションブランド産地協議会主催)が13日、同町のせとうち物産館であった。生産者18人が持ち寄った果実28点の糖度、酸度を測定。平均糖度は17・7度(2010~17年産平均17・6度)、平均酸度は2・42%(同2・85%)で、分析に立ち会った県の果樹担当者は「糖度と酸のバランスが取れており、全体的には良好」と評価した。

 

 生産者の技術向上などを目的に、毎年6月に実施している。本年度出品されたのは、いずれもルビースターと呼ばれる品種で、県や町の担当者が果実を切開して分析機で糖度と酸度を測定した。最高糖度は19・0度、最高酸度は4・48%、最低糖度は15・4度、最低酸度は1・60%だった。

 

 県大島支庁農林水産部農政普及課瀬戸内町駐在の松尾至身技術専門員は今期産果実の全体的な傾向について「開花期間以降の平均気温が22・3度と例年よりも高く、日照時間も長かったため、光合成を含む生育環境や条件から、良質の果実生産が見込まれる」と予想。

 

 一方で、「生産者個々の園地管理など栽培要因によっても酸の組成や濃度は大きく変化する」とも説明。品質分析の結果について「園地によって糖度や酸度にバラツキもみられる」と話し、生産者に「分析結果を、今後の栽培方法の改善などに役立ててほしい」と呼び掛けた。

 

 産地協議会の宮原仲清会長(66)は「産地全体では良い果実ができているようで、うれしく思う。検討会で示されたデータを参考にしながら、技術の向上に向け産地全体で精進したい」と話した。

 

 16日には同町古仁屋の「せとうち海の駅」で「第9回せとうちパッション祭り」の開催も予定している。