新かんきつ「津之輝」好調 JAあまみ、共販4倍増

2020年12月24日

社会・経済 

津之輝の出荷作業に追われるJAあまみの関係者=23日、奄美市名瀬

津之輝の出荷作業に追われるJAあまみの関係者=23日、奄美市名瀬

 かんきつ類の新品種として奄美大島で導入が進む「津之輝」(つのかがやき)の出荷が好調だ。JAあまみによる共販は前年比4倍の約4トンに達する見通し。JA担当者は「長雨の影響などもあり当初の見込みより量は減ったが、新植から5~6年が経過したことで、実が多くおいしくなってきた」と語り、年明け出荷の主力品目タンカンと並ぶ柱として期待が高まっている。

 

 「津之輝」は、国内が原産の「清見・興津早生(わせ)」と米国の「アンコール」の交雑品種で、2009年に品種登録された。濃厚でぷりぷりとした食味と、13度前後と高い糖度が特長。

 

 奄美大島ではポンカンに代わる新品種として導入を推進。施設栽培の本土産に比べ、露地栽培で年内出荷が可能なことから、お歳暮など年末の贈答品としての需要が期待されている。

 

 JA共販は17年から。「奄美つのかがやき」のネーミングで全国に出荷しており、共販量は17年に1トン、18年に1・5トン、19年には1トンで推移していた。20年産は8日に出荷を開始し、あと数日で作業を終える見通し。

 

 JAでは今年、全国各地のタンカン購入歴のある顧客にDM(ダイレクトメール)を送って購入を呼び掛けたほか、宅配やインターネットを使った販売も実施。販売先の確保に力を注いでいる。

 

 JAによると、2月から出荷が始まるタンカンも豊作を見込んでいるという。