新たな防除対策を検討 ミカン枯らす移入カミキリムシ

2020年03月29日

社会・経済 

ミカン木に被害を及ぼすゴマダラカミキリムシの成虫(左が雄、右が雌)

ミカン木に被害を及ぼすゴマダラカミキリムシの成虫(左が雄、右が雌)

 喜界町は、ミカン木を食い荒らす移入種のゴマダラカミキリムシの防除を2020年度も継続する。国の補助を得て実施してきた殺虫シートを使った防除事業は19年度で終了。20年度からは新たな対策を検討しており、買い取り事業との相乗効果で早期根絶を図っていく。

 

 ゴマダラカミキリムシの成虫は体長25~35㍉。6月ごろからミカン木に産卵し、幼虫が樹内を食い荒らして枯死させ、成虫となって樹内から出てくる。

 

 島内では25年ほど前から確認されて全域に生息域を拡大。在来のオオシマゴマダラカミキリムシとは背中の色などが違っているが、町担当者によると「既に在来種と交雑しており、見分けにくい」という。

 

 殺虫シートを使った防除は15年度から本格的に導入した。特殊なカビの菌を塗ったシートをミカンの木の根元から30㌢以内の高さに設置。シートに触れたムシは2週間ほどで硬直死する。

 

 ゴマダラカミキリムシ買い上げ事業は2007年度にスタート。1匹当たり10円だった買い取り価格を段階的に引き上げ、18年度には100円に改定。過去5年間の買い上げ数は、15年度3601匹、16年度1437匹、17年度2453匹、18年度3302匹、19年度2846匹で推移している。

 

 町担当者は「これまでの防除事業と買い上げ事業で一定の効果が得られたものの、まだ一部地域で発生が見られる」とし、「確実に捕殺することができ、町民に駆除の意識を持ってもらう効果もある買い上げを継続。木に薬剤を直接散布する方法など新たな防除を検討し、移入種の根絶を目指したい」と話している。