環境、観光施策推進へ 奄美市 政策アドバイザー委嘱 大正大准教授の岩浅氏

2023年08月16日

社会・経済 

安田壮平奄美市長(左)から同市政策アドバイザーの委嘱状を受け取った大正大学准教授の岩浅有記氏=15日、同市役所

行政課題解決へ助言を行う外部の専門人材として、奄美市は15日、大正大学地域構想研究所准教授の岩浅有記氏(44)に政策アドバイザーを委嘱した。国内の自然環境・国土政策などに精通し、関係省庁や自治体のアドバイザーも務めている岩浅氏は環境省職員時代、奄美・沖縄の世界自然遺産登録にも貢献した。世界遺産活用を含む環境、観光施策の効果的な推進へ関与が期待されている。

 

同市は行政が担う地域課題解決へ有効な施策実施を推進するため、今年度から分野ごとに政策アドバイザーを委嘱し、連携を図る。岩浅氏は委嘱第1号。16日に初会合を開く「世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会」の委員(有識者)も務める予定。

 

岩浅氏は徳島県出身。2002年度に東京大学大学院(農学修士)を修了後、20年度まで環境省や国土交通省で自然・環境、インフラ、観光など幅広い分野の政策立案に携わった。大正大学へ移った後も官民の環境政策・事業に関する助言、人材育成などを担う。

 

委嘱式は15日、同市役所であり、安田壮平市長から岩浅氏に委嘱状が手渡された。岩浅氏が環境省職員として沖縄勤務、奄美来島歴が豊富であることを踏まえ、安田市長は「環境から経済まで広い視野で見識を発揮し、助言をいただきたい」と期待を寄せた。

 

岩浅氏は「身に余る光栄であり、身が引き締まる思い」と一言。自然・文化体験を含む持続可能で高付加価値な観光形態「アドベンチャーツーリズム」などを例に挙げ、「本物の自然・文化が残る奄美で具体的な先進事例を築けるよう尽力したい」と話した。